まいちょんの学びの部屋

アメリカ在住ママ兼打楽器奏者の日々の学びをシェアするブログ

現代音楽との出会い ① So Percussion

今回は私の現代音楽との出会いについて書いてみようと思います。

 

もともとピアノから音楽入門した私は幼少期からクラシックの音楽教育を受けていました。

中学、高校の吹奏楽部でももっぱらオーケストラの曲目を吹奏楽様にアレンジした曲を演奏してました。

大学で打楽器を専攻した時もオーケストラ用の演奏法を重点的に習いました。

 

 

maichon.hatenablog.com

 

 

現代音楽には全く興味ありませんでした。

 

というか、どちらかというと嫌いでした。

 

現代音楽はオタクな作曲家と一部の物好きな演奏家の自己満足的なマスターベーションだとずっと思ってました(笑)

 

聞き手と作り手の間にものすごいギャップを毎回感じてしまうのです。

 

クラシックの何百年も生き残ってきた曲はやっぱりそれなりの価値があって、観客に受け入れられるだけの魅力があります。まあ魅力があるから生き延びて来たわけです。

 

現代音楽は魚の卵みたいに毎日生まれてすごい速さで忘れられていきます。プレミアが最後の演奏とかざらにあります。

 

現代音楽はムダに難しい割に観客受けもあまり良くなく、私にとっては魚の卵に時間と労力をかける価値が見出せませんでした。

 

そんなこんなでテキサス大学の大学院に進学してからもマリンバばっかり弾いてました。しかもキレイな曲ばっかり選んでました。キレイな曲は感情移入しやすいし、何と言っても分かりやすい。先生もやりたくないならやらなくていいよって感じの適当なノリで私の好きにさせてくれました。

 

そんな時に、

So Percussionがテキサス大学にやってきました。

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彼らはアメリカ初のプロの打楽器アンサンブルです。

 

一般のチケットはすぐに売り切れたんですが、先生がチケット余分に持ってて行けることになりました。

現代音楽のアンサンブルとか特に何の期待もせずに行ってみたら、

 

雷に打たれたような電撃ショックを受けました

 

何かよくわからないけどこの人たちスゴイ!

 

コンサート中一度もつまらないと思う事なくずっと彼らの演奏に釘付けになりました。

 

印象に残ったのは、Dan Truemanのneither Anvil nor Pulleyという曲です。

 

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見ていただいたら分かるんですけど、ゴルフのテレビゲームのコントローラーを使ったり、スピーカードライブを設置したバスドラムにマイクを近づけて出てくるフィードバックを使ってバッハのプレリュードを演奏したりと、当時の私の理解の枠を超えたぶっ飛んだ発想の曲でした。もう10年以上前の話ですが。

 

曲や演奏自体にも感銘を受けたんですが、

何より観客と一体になる会場の雰囲気にものすごい親近感がわきました。

 

今までの現代音楽のコンサートで感じたひとりよがり感は全くありませんでした。

 

多分それはSo Percussion のもつカリスマのなせる技です。同じ曲でも彼らの手にかかると魔法にかかったみたいに聞きやすくなります。

 

彼らは単に上手いだけでなくて、曲に対する理解力がずば抜けてて、それをいかに分かりやすく観客に表現するかを心得てます。曲に対してすごく紳士的で、高飛車でもなく、押し付けがましくもなく、純粋に自分達の音楽を表現していて、それが観客との距離感を縮めてるんだと思います。

 

実際にSo Percussionのメンバーはみんな本当にいい人で、悟りを開いたお釈迦様みたいな人たちです。すごくポジティブなパワーに満ち溢れていました。

 

現代音楽悪くないかも

 

とちょっと思った瞬間でした。