まいちょんの学びの部屋

アメリカ在住打楽器奏者の日々の学びをシェアするブログ

本物の音楽

こんにちはアメリカで打楽器やってるまいちょんです。

先日Percussion Collectiveのコンサートに行ってきました。

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これはYale大学の卒業生による打楽器アンサンブルで、私の恩師のJi Hye Jungもその一人。今回彼らがダラスにやって来るという事でリハーサルスキップして見に行きました。

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本当にオーケストラのリハーサルを抜けてでも行ったかいがあるすごいパフォーマンスでした。

本物の音楽ってこういう事なんだなっていう。コンサート中釘づけで、終わった後も余韻が半端ない。興奮して夜も眠れないほど。

 

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大学を離れて音楽でフリーランスをするようになってからというもの、ジャンクフードみたいな音楽と関わる事が多く結構悶々とする事が多かったので、久し振りにいい音楽が聞けて心が洗われた気分です。

 

大学にいた頃は本当に音楽のみを追求してました。でも社会に出てからは商業中心で、エンターテイメント性とか見た目重視的な曲だったり、お客さん受けする曲を求められたりするんです。

でもそういう分かりやすい曲って中身がないっていうか、脂っこいっていうか、本格的な料理の勉強してきていきなりハンバーガーとポテトばかり食べる生活をするような拷問 (笑)  

 

お金のために割り切ってジャンクフードな音楽を演奏したり、エビフライが乗ったうどんを天ぷらうどんですって何も知らない人に提供したりするレストランで働かないといけなかったりする生活。そしてそういう事に疑問を持つ事すら時間の無駄だと思うほど夢も希望もなくなりかけていた時に本物の音楽が聞けて、かなり救われた気分でした。

やっぱり本場のイタリアのパスタはクソまずいアメリカのブヨブヨのスパゲッティより何十倍も美味しかったと再確認したような感覚。

  

このPercussion Collectiveのメンバーの演奏は、神がかり的なオーラがありました。一人一人の技術も半端ないですが、その超人的なプレイヤーが全員真剣に体当たりでぶつかって生み出す音楽の出産現場を目の当たりにしたような気分でした。今回Percussion Collectiveは、本番まで1週間ホールを借り切って缶詰状態で練習して準備してました。練習現場を少し見学させてもらったんですが、通せば30秒もかからない箇所を何回も何回も入念にやり直して試行錯誤を繰り返してました。そうやって入念に作られた作品だからこそ深みのある曲に仕上がるんだと思います。

 

私の先生がいつも必ず念を押して教えてくれた事は、

 

演奏技術は音楽に奉仕する為に使われないといけない

 

という事。

常に音楽が先にあって、その音楽の個性を引き立てるために技術が必要なのであって、客受けするようにわざと派手な演奏で自分をいかに上手く見せようとしたり、技術にばっかり気を使って根本的な音楽を表現できていないと意味がないっていう事。もちろんいいテクニックがないと音楽を表現するのにさし障るので、テクニックは重要で、包丁も常に研いで切れ味をよくする必要があります。

でも包丁だけ研いで満足してたりしてはいけないという事。

 

最近は研いだ包丁も使うことなくインスタントラーメンみたいな時間をかけずにすぐ作れる曲ばっかり演奏したりしてたので、今回の恩師の到来は久々に雷に撃たれたような衝撃でした。周りの環境に流されず、常に高みを目指して精進していかないといけないとひしひしと感じた週末でした。

 

 今週末はアーカンソーでリサイタルです。気合を入れて頑張ります。

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