まいちょんの学びの部屋

アメリカ在住ママ兼打楽器奏者の日々の学びをシェアするブログ

何で打楽器?!

こんにちは。まいちょんです。アメリカで打楽器でメシ食ってます。お金持ちでは決してないですが、自由な時間がもてて音楽で世界中の人と繋がれる仕事ができてとても幸せです。

 

今回は私がどんな経緯で打楽器に出会い、打楽器と共に人生を歩んできたかを書いてみようと思います。

 

打楽器を始めたキッカケ

 それはズバリ、中学の部活の先生に決められたからです😅

 

一応私は6才からピアノを始め、5年生からはフルートも始め、中学の吹奏楽部でももちろんフルート希望で入部しました。しかしながらオーディションで緊張しまくりドの指をド忘れし、見事に落とされ、フタをあけると打楽器に配属されてました。

 

あなたの楽器はパーカッションですって言われた時、パーカッションが何かすら分からず、どんなキラキラした楽器かしらと夢を膨らませ、コレですよと木琴を指さされた時のショックは半端なく、辞めようかどうかめっちゃ悩みました。

 

唯一打楽器パートに残ろうと思った理由は、憧れの先輩が打楽器パートにいたからです(笑)

 

そんな微妙な理由でやり始めた打楽器ですが、やってみるとこれ結構いいんちゃう?と思い始めました。

 

まず、

飽きない

フルートを微妙にかじって思ったことは、1時間も吹いてるとフルートの音に飽きて来るんです。一品料理だと量食べれないみたいな?

その点打楽器は、スネアに飽きたら次マリンバみたいに、三角食べみたいに練習できるので練習時間が苦にならず、あっという間に終わるというお得感。

 

次に、

目立つ

フルートとかめっちゃ難しいパッセージを一生懸命吹いてもあんまり聞こえなかったりするけど、打楽器が一番後ろでキラキラしたシンバルとか持ち上げようもんなら客席の人全員の注目の的です。カレーで例えるとフルートはカレーの具材みたいやけど、打楽器ってどっちかっていうと福神漬けみたいな存在感がありますね。ただ合奏中の忘れられ具合はハンパないですけど。

 

そして、

安い

打楽器は楽器が学校に全部あるので、自分で購入しないといけなかったのはスティックと練習台のみ。2千円もあれば揃えられます。まあなんて経済的。

 

とまああっさり打楽器を好きになり、あっさりフルートを辞めて、中高6年間吹奏楽部で打楽器やって、その後アメリカの大学でも打楽器を専攻し、ついには博士号まで取得しました。まさか自分が打楽器と運命共にするとは夢にも思いませんでした。

 

そしてここまでやって来て、実は現実はそこまで甘くありませんでした。

 

まず、打楽器は

飽きないけど幅広すぎ

はい。他の人が楽器一つ練習すればいいところを打楽器は数え切れないほどの楽器をマスターしなければいけません。その量がほんとに半端ない。さらに現代音楽では打楽器奏者に弓使わせたり、ホラ貝吹かせたり、演技させたり、歌うたわせたり、打楽器の領域を超えたことまで要求されます。そして、クラシック、ジャズ、ポップス、ドラムライン、ハンドドラム等など幅広いジャンルをマスターしなければいけません。そして何故か全部できて当たり前だと思われます。

 

中国語の講師に応募して、あなたドイツ語とイタリア語とロシア語も教えられますかとか聞かれて、ロシア語は挨拶程度なら〜とか言ったら速攻落とされるくらいのシビアさがあります。

 

目立つが故にプレッシャーがやばい

はい。楽して目立ってラッキーとか思ったのは最初だけ。変な所でシンバルとか叩いたりしたら全員にバレます!

 

打楽器は一人で一つ楽器を担当するので常にソロ状態。さらにオーケストラなどは出番が少ないので休符数えるのが仕事の様なもの。100ドルもらって出番がシンバル2発なら1発50ドルのプレッシャーです。そこで一瞬でも気をそらして今日の晩御飯何食べようかしら〜なんて考え様もんなら命取りです。自分が今195小節目を数えていたのか果たして159小節目やったのかとか考え始めると50ドルのプレッシャーが重くのしかかってきます。

 

実は安くなかった

はい。安かったのは日本の部活中だけ。学校で借りれた時は良かったけど、卒業と同時に楽器と練習場所をダブルで失うという現実が待っていました。全部買い揃えるには多大なるバジェットが必要です。

 

10年ほど前に貯金をはたいて5オクターブマリンバを買ったものの、家具並みにでかいし、重いし、運ぶの大変。旦那さんなんてホルン1つでいつでもどこへでも演奏に行きはりますけど、私は引越し業者のごとくミニバンに楽器つめつめで出勤。毎回楽器運ぶ度にフルート辞めたことを後悔(笑)

 

と、ちょっと現実に厳しい事ありますけど、それでも辞めずにここまでこれたのも、やっぱり基本的に好きだから続けられたんだと思います。

 

もともと目立つのが好きなタイプではないので、知らないうちに日陰へ日陰へと行く傾向があるので、逆に打楽器で大きな音を出す事や、目立ちたくなくても目立ってしまう環境に身をおく事は背水の陣のごとく効果的です。

 

そしてやっぱり打楽器の迫力は他のどの楽器にも勝るものがあるし、打楽器の演奏でお客さんの目がキラキラ輝くのを見る度に、やっぱりやっててよかったなーと思います。

 

打楽器についてちょっと真剣に語ってみました。