オーディションを受けるにあたっての心構え
先週末と今週末、中学生のディストリクトとリジョンバンドのオーディションの審査をしました。これは日本でいう地区大会や県大会みたいなもので、個人で勝ち抜いて行って最終的に上位数名がディストリクトやリジョン代表バンドのメンバーに選ばれます。このバンドに選ばれるのはかなり名誉な事で、大学で奨学金をもらえたりします。
しかし一生懸命練習した子どもたちには申し訳ないですが、1日がかりで70人ほど同じ課題曲を聞くのはかなりの拷問(笑)めっちゃ疲れました。
ストレスフルなオーディション
オーディションは音楽家なら誰もが経験しないといけないものですが、オーディションプロセスはかなりストレスフルです。かくいう私も今まで何回もオーディションを経験し、何回も失敗を繰り返し、オーディション恐怖症ではないですが、かなり自信を喪失してオーケストラ奏者の道を断念しました。
旦那さんはホルン奏者なので、オーケストラオーディションを毎回受けに行きます。10分の演奏時間のために膨大な課題曲を何日もかけて練習して、飛行機代を払って遠いところまで出向いて行っては一次審査を通過できずに帰ってきます。
去年旦那さんは日本までオーディションを受けに行きましたが、2分くらいで落とされました。私は通訳兼ピアノの伴奏者の譜めくりとして一緒に入ったんですが、自分のオーディション以上に緊張して、本人以上に落ち込みました(笑)
普通に受けるだけでは意味がないって本当?!
オーディションではフィードバックがもらえないので、何が悪かったのか、どこを直せばいいのか等が分かりません。なので、勝手にここが悪かったからダメだったんだと自分で色々解釈してしまいますが、実は全然関係ない事が多かったりします。
たまに、オーディションは形だけで最初から受かる人が決まっているとか、サブで吹いてる人が優先的に選ばれたりするという事もよく聞きます。
普通に受けるだけでは意味がないので、コネを使ったり、審査員にレッスンを受けて先に聞いてもらった方がいいとか、審査員の好きな弾き方で弾いた方がいいとか色々言われます。
かくいう私もあーでもないこーでもないと色々自分で対策を考えました。でも最近自分が審査をする立場になったり、旦那さんのオーディションのプロセスを客観的に見ている内に、こういう色んな対策ははっきり言って全く意味がないという事を確信しました。
意味のない対策その1:裏口入門を目指す
実際旦那さんが日本でオーディションを受けた時は、知り合いに頼んでオーケストラの方を紹介してもらって、事前に色々お話を伺って、レッスンもしてもらいました。色々ためになる事を教えてもらえてよかったと思いますが、オーディションの後から完全無視されてしまいました。2分で落とされるという結果は残念でしたが、それ以上に何か無視されるような失礼な事をしてしまったのではないかという心配もプラスしてかなり後味の悪いオーディションになりました。
その後、他の知り合いのオーケストラの先生とお話ししたら、オーケストラには色んな派閥があって、仮にオーケストラメンバーの誰かに師事していたとしても、その人がオーケストラで好かれている人物であるとは限らないので、逆にその人の門下生である事が裏目に出る事もあるそうです。
サブが優先される事もたまにはあるかもしれませんが、その先生曰く、隣の芝は青く感じるように、いつも聞き慣れている音より、新しく新鮮な人の音の方が上手く聞こえる事もあるようで、必ずしもサブが優先されるとは限らないそうです。実際その先生がオーディションを受けた時は、全く知らないオーケストラに応募して、毎回呼ばれるサブを抜いて選ばれたそうです。
意味のない対策その2:相手に好かれる演奏をする
万人ウケする弾き方を目指すべきかどうかという点においては、自分ではどうしようもないので、結局は自分の信じる音楽を表現するしかないと思います。
オーディションは結局は審査員の主観的な好き嫌いとその場の気分で判断されます。実際私が審査員になった時も、公平な審査ができているかというとそうでもないです。一日中審査していると一位と最下位は振り分けられても、中間層は誰がどういう演奏をしたかきちんと覚えられないですし、審査する基準もかなり曖昧なので全然フェアじゃありません。例えばミスなして機械的にロボットみたいに弾いた人と、音楽性豊かに弾いたけどミスが目立った人どちらが上かというとそれは個人的な判断に分かれます。順位争い(特に中間層)は全く意味がないと思います。
私がソロの大会に出た時の優勝者はすごく簡単な曲をゆっくり弾いた人でした。審査員によると、一日中技術的な曲ばかり聞いていると疲れてきて、このゆっくりした曲が一番心に残ったそうです。めっちゃその場の気分による適当な審査ですね。なので、何が好かれるかどうかは事前にわかるものではありません。
審査員が主観的に判断するのは応募者の技術のみではありません。旦那さんは去年大学の新しいホルンの教授を雇用するコミッティーの一人でした。沢山の有名なホルン奏者が応募しましたが、受かったのは無名の若い先生でした。旦那さん曰く、どんなに上手いホルン奏者でも、偉そうだったり、ネガティブだったり、生徒に献身的でなかったりすると一緒に働くメンバーとしてやりづらいという事です。
色々書きましたが、私が思うオーディションを受けるにあたって大切なことは2点です。
1. せこい事を考えたり他の人の意見を気にしないで、自分の信じる音楽を自己ベストで演奏すること。
2. 常にいい人でいること。
コネはチャンスを得るにはいいかもしれません。でも実際そのポジションをゲットしてキープできるかはやっぱり実力と人となりが大切です。
私が学部生の時に先生に言われて未だに覚えている言葉。
「オーディションの合否はかなり馬鹿げていて当てにならない事が多いです。勝てるに越した事はないけれど、選ばれなかったからといって自分を否定する必要はありません。私が自分の生徒にオーディションを勧める理由は、結果がどうであれ、オーディションのプロセスが終わった後、全員がレベルアップして会場を後にするからです。」
いい言葉です。
メキシコ料理
先週からずっとちまちまブログを書いては消してを繰り返し、ブログの更新ができてません。書きたい事は色々あるんですが、それをじっくり考察して文章にするのに時間がかかるので、いつも途中まで書いて時間切れになって、後から読み返してめんどくさくなって消してしまいます。
なのでちょっと気分転換に久しぶりの食べ物投稿。
普段はお昼はお弁当持参ですが、火曜日だけ微妙にお昼休みが長いので、旦那さんと教えている中学校のまわりのレストランを色々試してます。
今日のレストランはメキシカン。
なんともメキシカンな外観ですね。この謎な入り口を入るとまたもや趣のあるパティオ。
定番にタコスを頼みました。
色んなタコスがありましたが、ビビリなのでポヨ(チキン)とカルニタス(ポーク)とバルバコア(牛の頬肉)という定番タコス。旦那さんは牛タンとヤギ肉のタコスを頼んでました。牛タン一口食べてみたら思ったより柔らかくて美味しかったです。サルサも、フレッシュサルサとローストサルサとグリーンサルサの三種類あってすごく辛くて美味しかったです。しかもこのタコスは一つ$1.70というお安さ。量も多くて3つ食べたらお腹がいっぱいになりました。
テキサスはメキシコからの移民が多いので、メキシコ料理屋さんが沢山あります。しかも結構本場なメキシコ料理が食べられます。メキシコ料理ばっかりで飽きるかと思いきや、お店それぞれの味があって、私は気に入ってます。テックスメックス(テキサス風メキシコ料理)も美味しいですが、私はオーセンティックなちょっと小汚いけど安くて美味しいメキシカンレストランの方が好きです。
調子に乗ってデザートも頼みました🍮
フラン。日本のプリンのがっちりバージョン。
私はアメリカのお菓子は甘くて余り好きではないんですが、メキシコお菓子は日本の味に似ていて好きです。メキシコ人経営のパン屋さんにもよく行きます。バターの香りのする甘さ控えめなペイストリーやクッキーが50セントくらいで売ってて、しぼりたてのグアバジュースとかパイナップルジュースとかも売ってるので、お気に入りです。
ビバメキシコ。
ではお昼休みが終わるのでそろそろ学校に戻ります。今晩はファカルティーコンサートで演奏します。今から楽しみです。
アメリカの教育ってちょっと微妙
アメリカで中、高、大学生の打楽器レッスンを教えてます。まいちょんです。最近テキサスも少し寒くなってきました。
アメリカ人を教えるのは思った以上に難しいと最近よく思います。
私は高校までは日本の教育を受けて育ったので、教育の価値観や考え方は結構日本よりなのです。
アメリカは褒めて伸ばす教育が主流で、親も先生も褒めすぎやろってほど大げさに褒めまくります。逆に、少しでもマイナスな事を言おうものならびっくりするくらい落ち込みます。しかも気をつけないと親から訴えられたりするので、毎回レッスンでの言動には最新の注意を払わないといけません。
一番難しいのは、練習する習慣をつける事です。私が日本で小学校の時にピアノのレッスンを受けていた時は、毎日お母さんに一日30分は練習させられてました。練習したくない時も泣きながらでも練習してました。毎日練習してるうちに日課のようになって別に練習が苦にならなくなりました。
アメリカではかなりゆるーく教えます。
やりたくなければやらなくてもいいっていう方針なので、楽しい時だけ練習して、練習が嫌になると辞める子が結構います。レッスンも先生と練習する時間と思ってる子どもが結構います。
私はそういうレッスンはしたくないので、とりあえず少しだけでもいいので何か準備して持ってくるように指導します。
この間6年生の生徒が何も練習せずに来たので、親御さんに連絡して練習する習慣をつけるようにお願いしたら、
「うちの子は練習するのは好きじゃないんです」
との事。いや、練習するのが好きな人って結構稀じゃないですか?
確かに、授業が楽しかったり、やりたい事に没頭してる時は練習も苦にならないし、学校に行くのが待ち遠しかったりします。
でも、そんな状況がいつまでも続くはずはありません。それで嫌になった時にどれだけ自分を律して練習する事ができるかっていう自己訓練は大切だと思うんです。
でもそう言うと、
別にプロを目指してるわけじゃないから
とか
楽しくやってくれるだけでいいんです
とか言われます。
アメリカのバンドディレクターですら、
どうせほとんどの生徒は高校を卒業したら音楽を辞めるので、楽しくすごせばいい
というアプローチです。
私の日本の高校の吹奏楽部も同期で音楽のプロになった人は一人もいません。でもみんな青春を音楽に捧げて一生懸命練習していました。
確かに音楽で食べていくのは大変で、一生懸命努力して色々考えて辞める決断をするのは仕方ないですけど、何も努力せずに何が出来るっていうんですか?そんな教育をして、楽しくなくなったらすぐ辞める子どもを育てて、ミレニアムのキッズは仕事が続かないとか不満を言ってる人を見ると、それは子どものせいでは無く教育方針の問題ではないかと思うんです。
アメリカの先生や親は子どもを飽きさせないように次から次へと色んなものを与える傾向があります。
赤ちゃんにも常に刺激を与えないと泣き止まないからとか言って自動振動マシーンみたいなうば車に乗せて常にガタガタ揺らしたり、寝やすくする為に常に携帯で音楽をかけたりします。
旦那さんの甥っ子達も幼稚園児ですが、この間長距離運転で飽きると困るからってお義母さんが大量のお菓子や車用のDVDプレーヤーを買っていました。
私が授業で基礎練習や機械練習を何回もさせていたら、子どもは飽きやすいからもっと楽しいアクティビティを盛り込まないといけないと言われました。小学生ならまだしも、中、高生相手にです。
私の旦那さんも、大学で音楽史を教えているんですが、生徒がつまらなそうにして全然話を聞いてくれないからといってもっと楽しい教え方はないものかと毎回試行錯誤で授業に挑んで、生徒の反応が薄かったらガッカリして帰ってきます。テストの出来が悪かったから採点をかなり甘くしてました。
飽きる事ってそんなにダメな事なんでしょうか?
何もする事がないと、逆にある物で色々楽しむ方法を考えるので、もっとクリエイティブになれると思います。私が小さい頃は暇な時は公園でお花をつんだり庭の鉢植えの底に住んでる虫を見つけて遊んでました。長距離運転中はずっと歌を歌ってました。
大学生にもなって授業がつまらなくて寝ているのは自己責任です。私もたまに寝てました。でも授業に集中せずに成績が落ちてもそれは自分の責任です。なのに先生が
僕の授業がつまらなくてごめんね。とか言わないですよね。それでテストの採点甘くするとかしたら余計に誰も授業に集中しなくなります。
アメリカにはADHDの子どもも沢山います。私は専門家ではないので、どこまでがディスオーダーでどこまでがアメリカ人的な性格なのかはよくわかりませんが、何となくこのアメリカの教育がADHDを作り出してる気がしてなりません。
もっと忍耐力や集中力や自己統制力を教える事は出来ないものでしょうか。
そんなことを私の教えている大学の教授に話したら、日本の価値観を求めすぎって言われました。郷にいれば郷に従うと言うけれど、なかなか難しいですね。
べた褒めしながら忍耐力をつける方法を模索して行きたいと思います。
本番に緊張して失敗しない対策法
前のブログで本番前の不安やストレスと向き合う方法について少し触れました。
前回お受けしたマスタークラスで
Stage Fright and Performance Preperation
本番に緊張しないようにする対策法
について話をしたので、ブログでも紹介しようと思います。
緊張も失敗もして当然
緊張せずに完璧に演奏できるにこしたことはないですが、私の経験上そんなことが出来たためしはありません(笑)いつもと違う場所、照明、音響、観客など、環境が変わると緊張するのは当たり前です。なので、緊張しないようにする対策より、緊張した時にどう対処するかを考える必要があります。
傾向や症状の分析
緊張するとアドレナリンの効果で心臓がバクバクしたり、手足が震えたりします。人によって症状は変わりますが、私の場合は顔が火照って鼻水が出たり、手汗をかいたりします。旦那さんはホルン吹きですが、口が渇いたり顎に力が入ったりするそうです。たまにお腹が痛くなったり吐き気をもよおす人もいます。
私が一番困るのは、集中できなくなる事です。頭の中でセルフトークが始まって集中しろ集中しろと言い聞かせても逆にどんどん集中できなくなります。
緊張した時にどうなるのかが分かってくると対策が取りやすくなります。
ポジティブ変換
前述した症状はやっかいなので追い払ってしまいたいんですが、来んな来んなって言ってもやって来ます。なぜならそれは体が危機を察して繰り出す自己防衛メカニズムだからです。
なので、こんな時は自分に「僕は死にましぇん」と言い聞かせましょう。古い?
それはジェットコースターに乗る時やお化け屋敷に入る時の感覚に似ています。めっちゃ怖いはずなのに楽しむ事ができるのはなぜかというと、絶対安全であるというのが前提にあるからです。貞子は絶対にテレビから出てこないと分かってるから楽しめるんです。これも古い?
ここで重要なのがこの緊張感を楽しめるようにポジティブにエネルギーを変換することです。逆に緊張しなさすぎても集中できなくていい演奏ができません。アドレナリンは必ずしも悪いことではないのです。
メンタル練習
ではどのような安全対策をとればいいのでしょうか。
練習する際に、いつも同じ様に練習していると体が勝手に覚えてあまり何も考えなくても弾けるようになります。これはとてもいい事ですが、本番緊張すると、このオートマティックな事を頭で考えてしまって逆に弾けなくなってしまいます。
オートマの車しか運転してないと、トランスミッションが壊れた時に対処できなくなります。なので、普段からマニュアルで運転できるように練習しておくと、何かあった時に焦らず切り替えられます。
このマニュアルの練習が楽器の場合はメンタル練習になります。
わざとゆっくり弾いたり、ランダムな場所から弾いてみたりする事で手より頭を使って練習出来ます。曲の形式やコード進行などを考えながら練習したり、実際それを地図のようにノートに書き出してみたりするのもいい練習になります。
疑似体験
普段同じ部屋でずっと練習していると、環境が変わった時に対応しづらいです。先に書いたように本番のホールの音響、照明、空調設備等が前もって分かっていると対策が立てやすいです。そして出来るだけ本番の状態を練習中に疑似体験するようにします。実際ホールでリハーサルできるなら、照明や空調も調節して、本番用の衣装や髪型でリハーサルに臨む事をお勧めします。
スティックが袖に引っかかったり、髪飾りが落ちてきたり、靴の音が気になったりすると演奏に集中しづらいので、そういう服装は避けるか、慣れるように前もって練習するに越したことはないです。
誰かに聞いてもらうのもいい練習になります。緊張する状況で練習する事を繰り返して、本番緊張する事に慣らします。誰も聞いてくれる人がいなければ、録音するのが効果的です。私は本番2週間前からスマホを譜面台において通しの録音を必ずするようにしています。本番ウォームアップする時間がない事も考慮して練習の初めにいきなり通しの録音をしてみると自分のウィークポイントがよく分かるので、その後に効率的に練習できます。
ギリギリで変更しない
本番当日はもとより、1週間前くらいからは、あまり変更を加えない方がいいです。欲が出てもうちょっと早く弾けるんじゃないかとか、もう一曲簡単な曲を増やそうかとか考えがよぎりますが、ギリギリで変更してうまく行く事はあまりありません。
私の生徒はよく本番だけ感情豊かに大げさな動きで弾こうとして失敗します。そういう動きをしたいなら練習中から人目を気にせず感情豊かに練習した方がいいです。
当日の食べ物も、縁起がいいからって朝から普段食べないカツ丼を食べたり、普段飲まないコーヒーを飲んだりすると、本番の緊張も重なって大変なことになります。
オーディションの待ち時間も、他の人の弾き方と比べたりして、こっちの方がいいんじゃないかなとか無駄な思考がよぎりますが、普段通りのウォームアップをして、後は自分のレコーディングを聞くなりしていつも通りに演奏する方がいいです。
やれるだけやったら自分を信じる
前にも書きましたが、これだけ安全対策をしているので何があっても大丈夫と自分に言い聞かせ、本番の緊張感やお客さんとの一体感を楽しんで、自分の音楽を表現しましょう。これはオーディションや大会でも同じことです。失敗を恐れて控えめな演奏をしても心に残る演奏は出来ません。失敗しても大丈夫!自分を信じて本番に挑みましょう。
長々と書きましたが、詳しいことは私の博士論文でも紹介しているので、英語のみですが、興味がある方は読んでみてください。
Mariel
今度私の教えている大学のファカルティーコンサートでチェロの先生とMarielという曲を演奏することになりました。Osvaldo Golijovさんというアルゼンチン出身の作曲家の曲です。この曲はずっと弾きたかったんですが、チェロのパートが特別重要なので、なかなか演奏相手が見つけられませんでした。今回共演するチェロの先生はフォートワースシンフォニーのチェロ奏者で、一緒に弾きませんかとお願いしたら、快く引き受けてくれました。
この曲のタイトルのMarielはGolijovさんの幼馴染みの奥さんの名前で、チリの南部に家族で旅行中に交通事故で亡くなりました。事故当時は赤ちゃんを授乳中だったそうです。赤ちゃんと旦那さんは幸い助かったそうです。
この曲は、聡明で笑顔の絶えないブラジル音楽が好きな女性、マリエルの突然の死に直面したその瞬間の感情を表現した曲です。大切なものが一瞬にして消え去ってしまう儚さ。
このビデオでGolijovさんがこの出来事を語っている表情も、笑顔の奥に寂しさが見え隠れしていて、胸が痛くなります。
すごく重い、でもものすごく綺麗な曲です。よければ聞いてみて下さい。
休符を数えるプロ
私の今週のお仕事。
バスドラム。
今週末にオーケストラのコンサートがあってかりだされました。
リハーサル1時間前入りして楽器をセットアップして、あとはひたすら出番まで待ち続けるお仕事。
3時間のリハーサルで出番10分くらい (-.-;)y-~~~
ただひたすら座ってるだけでずっと弾いてるバイオリンの人と同じお給料を貰えるという。
ボーっとしてると出番ミスるので適度に集中しないといけません。アメリカの中西部の一本道の長距離運転みたいです。
でも慣れてくると休符を数えながらブログを書くという裏技が使えるくらいプロってきます。
打楽器奏者。それは休符を数えるプロフェッショナル。
しかし暇やわ(-_-)zzz
マインドフルネス
日本でも結構ブームになったマインドフルネス。仏教の瞑想がアメリカで流行って日本に逆輸入されたような感じですかね。
無心になる事で頭を癒し、心を癒すという心理学的観点からのアプローチです。
実は私の母はカウンセラーで、マインドフルネスについては10年前くらいから母から教わってました。
私はロジカルなタイプで、いつも心より先に頭であれこれ考えるタイプです。常にあーだこーだと理論的に考えて色々分析したり、勝手に物事を判断したり、予定や見積もりを立てたりします。
常に頭で色々考えてて、自分でも知らない内にそれが結構なストレスになっていたりします。脳みそが常にフル回転なので疲れも取れず、夜もぐっすり眠れません。
最近母と話す機会があって、すっかり忘れていたマインドフルになる大切さを思い出しました。
とりあえず脳みそを休めて深呼吸。
日常の忙しさから少し離れて自分の身体を労わる。
何気ない小さな事に気を向けてみる。
今日の気づき。
家の庭の木からドングリがいっぱい落ちてました。
ついにテキサスも秋らしくなってきました^_^