本番前の不安やストレスと向き合う方法
ご無沙汰してますまいちょんです。
ついにリサイタル三連弾ヘルウィークまで一週間を切りました。ここ二週間ほど焦りに焦り、気持ちに余裕ができず、かなりイライラしてました。
もっと時間があればきちんと準備できたのに。
もし演奏日程がこんなに同じ週に重ならなかったらもっと一つ一つに集中できたのに。
一生懸命な割に何もかもが中途半端。こんな中途半端な状態で本番に臨まないといけない現実が押し寄せている事に焦るばかり。
さらには、新しく教え始めた学校のスケジュールが早朝レッスンで、朝に弱い私にとってこのスケジュールの体に及ぼす影響が思ったより過酷でした。
一日中立ちっぱなしで教えて、家に帰ってきてご飯作って、夜遅く体も頭もへとへとな状態で練習して、頭ガンガン、体中コリコリの状態で寝て、疲労回復できないまま次の日を迎えるという悪循環な生活。
練習したいけど時間がない。時間ができても疲れてて練習にならない。でも期限は刻刻と近づいてくる。焦りや不安が増してストレス極まりない。という魔のサイクルのドツボにはまりました。
この余裕ない状態の中、ずっとやらないとやらないとと思いながら放置していたプレゼンの準備に昨日ようやく取り掛かりました。来週リサイタルをする学校側からマスタークラスを頼まれていたんです。指定されてたお題が
Stage Fright and Performance Preperation
本番緊張しないようにする対策法
実は私、博士論文で似たようなことを書いていたんです。なので、楽勝だわと思い、ずっと放置していました。昨日ようやく自分の卒論を読み返してみて、びっくりしました。4年くらい前に書いてすっかり忘れていたんですけど、なんか結構いい事書いてるんです(笑)
私がすっかり忘れてしまっていた大切な事とは
- 自分をトラスト(信用)すること
- 結果ではなく課程を重視すること
- 音楽の魅力をシェアする事
1. 自分をトラスト(信用)する事
これはBill Mooreさんというパフォーマンス心理学のコンサルタントの方の本を参考にしました。
トラスト(信用)する。と言うのは簡単ですが、いざ本番前にトラストしろと自分に言ってみてもそう簡単にできることではありません。時間をかけて毎日自分をトラストする練習をしないといけません。
音楽家は常に二つの相いれない平行線の道を走る必要があります。
一つは、
常に自分のスキルアップを目指すエンドレスロード
もう一つは、
その完璧でないスキルを常にトラストし続ける道
1つ目の道を走ってる内に知らない間に自分がどんどん完璧主義になっていって、遠くにある物を求めすぎて今ある物の価値を忘れてしまいがちです。そして逆に今ある物が全然ダメダメで人様の目にさらせるようなものではないと思ってしまいます。
大切なことは、完璧に準備できてからトラストするのではなく、今の自分の力をトラストする練習をすること。
これは私のような自分にあまり自信がもてないけど完璧主義なタイプには本当に難しい事でです。でも今回、すっかりこのトラストの存在を忘れてドツボにハマっていた自分に気づく事が出来ました。
無い物をねだっても仕方がないです。今ある自分の力を信じよう(と努力しよう)と思います。
2. 結果ではなく過程を重視すること
これもトラストのコンセプトに似ていますが、本番失敗することも、長い目で見れば自分を高めるプロセスの一部で、この経験を通して学べる事が沢山あります。結果次第で全てが終わるのではなく、長い音楽人生の中の1つの通過地点にすぎないと思えば失敗することも怖くないと思えます。いやでもできれば失敗したくないので実は怖いです。 (ボソ)
でもとりあえず失敗しても死なないから大丈夫と思ってがんばります。
3. 音楽の魅力をシェアする事
はい。これも完璧主義が陥りやすい穴ですが、失敗しないことに集中しすぎると、無難な演奏になったり、音に集中して曲を表現するのを忘れてしまうという本末転倒なことになってしまいます。大切なのは自分の表現する音楽をとことん好きになること。そして、その愛や音楽の魅力を聞いていただいてるお客様にシェアする事。
自己中心的に考えるんじゃなくて、音楽中心。
聞いてもらうのは音楽であって、私の打楽器テクニックではないんです。
やばいやばい。自分で書いてる事なのにすっかり忘れてました。というか、知ってる気になって全然実践できてませんでした。ストレスって怖いですね。
昨日一日ゆっくり自分の時間を作って、モーニングコーヒーを飲んで、ヨガをして、猫と遊んで平常心をすこし取り戻しました。
あと一週間、できる限りの努力をして、自分を信じて、本番を楽しみたいと思います。