Mariel
今度私の教えている大学のファカルティーコンサートでチェロの先生とMarielという曲を演奏することになりました。Osvaldo Golijovさんというアルゼンチン出身の作曲家の曲です。この曲はずっと弾きたかったんですが、チェロのパートが特別重要なので、なかなか演奏相手が見つけられませんでした。今回共演するチェロの先生はフォートワースシンフォニーのチェロ奏者で、一緒に弾きませんかとお願いしたら、快く引き受けてくれました。
この曲のタイトルのMarielはGolijovさんの幼馴染みの奥さんの名前で、チリの南部に家族で旅行中に交通事故で亡くなりました。事故当時は赤ちゃんを授乳中だったそうです。赤ちゃんと旦那さんは幸い助かったそうです。
この曲は、聡明で笑顔の絶えないブラジル音楽が好きな女性、マリエルの突然の死に直面したその瞬間の感情を表現した曲です。大切なものが一瞬にして消え去ってしまう儚さ。
このビデオでGolijovさんがこの出来事を語っている表情も、笑顔の奥に寂しさが見え隠れしていて、胸が痛くなります。
すごく重い、でもものすごく綺麗な曲です。よければ聞いてみて下さい。