アメリカで中古車ショッピング体験記
こんにちは。アメリカ在住歴更新中のまいちょんです。今回はアメリカのカーディーラーについて。
先日車を買い替えました。テキサスは馬鹿でかい上に公共交通機関が全くもって発展していないので車は必需品。しかも私の住んでいるDFWは色んな市町村が合体したメトロプレックスで面積は北海道と変わらない大きさ。どこに行くにも片道一時間高速運転しないといけないので、一日100マイルくらい運転していた旦那さんの車のトランスミッションがついに壊れてきて、新しく買い替えることになりました。
新しく買い替えると言っても私たちは貧乏音楽家。移動手段のみ必要なので、見た目とか高級感よりも燃費やリライアビリティ重視な車を中心に探しました。ローンも組みたくないので、目指すは100万円以下の中古車。日本だと中古車も結構な値段がしますが、アメリカでは結構安く車が手に入ります。車検もゆるいので日本では見たことのないようなボロ車やボコボコになった車も走ってたりします。
高級感満載のディーラー編
とりあえずダラスに住んでいるリッチな叔父さんご用達のカーディーラーを紹介してもらいました。叔父さんが全部手配してくれてこちらの要望も伝えてもらいました。
いざ行ってみると、
え、ここレクサスやねんけど。。。
高級車とかいらんねんけど。。。でも一応他の中古車も扱ってるらしい。
せっかく叔父さんが手配してくれたし、予約もしてるし、行くしかないと心に決め、高級感あふれるビルに足を踏み入れました。
入った瞬間3人くらいに呼び止められて身元確認をされる。確かに私たちは高級車を購入するような人物には見えない。秘書の方に担当ディーラーのグレッグさんに取り次いでもらって、高級感あふれるオフィスに案内してもらい、いざグレッグさんにご面談。
グレッグさんは意外といい人で、三台紹介してもらった車は日産アルティマ、本田アコード、現代ソナタという、エコノミーな車でちょっと安心。きらっきらなレクサスばっかり並んでる駐車場の一番奥の角にひっそりと並んでる中古車エリアに行って試乗。
グレッグさんが後ろに座って監視する中自動車教習所みたいなノリで、レクサス内を一周して終了。どうでしたか?とか聞かれても、いやもうどれも素晴らしいです。どれでもいいです。一番安いやつで!としか言えない。
コーヒーあるのでご自由にどうぞと勧められ、行ってみると10種類くらいセレクションがあって迷ったのでちょっとずつ味見していたら、気づけばスーツ姿のレクサス人に大量にガン見されてて慌てて退散。やばい場違いにもほどがある。
そしてついにお値段御開帳。思った通り全部100万は大幅に超えてるし。どれが気に入りましたかとか言われてもどれにも手がでません。
旦那さんの車、2005年のフォルクスワーゲン、ジェッタちゃんの買い取り値を調べてもらった結果。
5万円。。。
ちーん。。。
ありがとうございました。と頭を下げて去ったのでした。
アメリカの父ちゃんアドバイス
今までアメリカで色んな車に乗ってきましたが、実はそれはすべてアメリカの父ちゃんことジェームスがオークションとかで安っすく購入して自分で修理した車達で、壊れる度にジェームスに直してもらって乗っていたんです。
レクサスディーラーさんに行ってみて、相場の高さにびっくりしました。テキサスに引っ越してからはジェームスに修理してもらうわけにもいかないし、やっぱりローンを組んででもちょっと高めの車を買った方がいいんだろうか?と思い、ジェームスに相談してみました。
ジェームスの車に対する意見は
- 銀行残高内で現金で買える車を探して、車に対する情は持たずに乗りつぶして乗りかえる。
確かにたまにラジオで耳にするデイブ・ラムジーさんのファイナンス講座に電話をかけてくる人たちはみんな車と学費のローンを抱えてる人たちばかり。デイブさんの第一声のアドバイスは車を売って安い車に買い替えること。
私たちもまだ学費のローンも残っているし、やっぱり更なるローンは避けた方がいいっぽい。しかもローンを組んで高い車を買ってぶつけたりしてもいらんし、走ってさえくれれば安いボロ車の方が気が楽ってもんです。
でも安い車はギャンブルみたいなもんで、長持ちするかどうかは運しだい。ジェームスにいい車の見極め方の秘訣を教えてもらうと、
- 事故車は避ける
- その車でカリフォルニアまで運転して帰ってこれると思えば大丈夫!
ほんまかいな。めっちゃ適当(笑)
facebookの個人販売編
ジェームスと話してやっぱり安い車を買おうと心に決めた私たち。次に目をつけたのはfacebookで個人で売り出している車。
ディーラーを通すと手数料やらいろいろ上乗せされて割高なので、個人で売り出してる車を買った方が安いし、どんな運転手なのかとか分かるしいいかなと思って調べてみました。すると、高級ディーラーさんの価格の半額くらいで同じような車があるではありませんか。とりあえず3か所ほどお宅に訪問してみることに。
訪問先1
アパートから出てきた若い女の人がカギを貸してくれて、
「そこらへん乗ってきてまた戻ってきたら連絡して!」
また適当なノリ。そんなに簡単に他人に車をあずけたらあかんやろ。
でもまあ乗った感じはいい感じ。ん?と思ったのがダッシュボードに禁煙マークのシールが。この車もしや個人車ではないのでは?
戻ってきて聞いてみたら、案の定、事故ったレンタカーを買い取って個人で修理して売る家族ビジネスを経営してる人たちでした。事象メカニックらしいお兄さんが家から出てきて、僕の腕を信じでくれ!みたいな演説をしてくれましたが、事故車という地点でムリ。
とりあえず、正直に話してくれたのはよかったです。
訪問先2
こちらはワンオーナーって書いてたのに、行ってみたらめっちゃゲトーなディーラーシップでした。全然ワンオーナーちゃうやん。イスラエル人のおっちゃんが出てきて刑務所みたいなトゲトゲワイアーがまきまきの駐車場から車を持ってきてくれました。無言でカギを渡され、おそるおそる乗ってみたらこちらも禁煙マークのシール。なにこれ?今はやりのビジネスですか?クリーンタイトルって言ってたのによくよく話を聞いてみるとリビルトタイトル。やっぱり事故車。
訪問先3
ぱっと見た瞬間にバンパーの色が違う。。。明らかにペンキで上塗りした感じがばればれ。ナンバープレートはフロリダ。
このお兄さんは、出て来るや否や、
「僕は毎日これに乗って通勤しているけどガソリンは週に一回しか入れないよ。かなり燃費がいい車です。ワンオーナーで無事故!」
いやでもなんかバンパーの色違うけど?って言っても
「ワンオーナー無事故!」を連発する。
試乗してもいいですか?って聞いたらちょっと嫌そうな顔をしつつ了承。でもお兄ちゃんはちゃっかり後ろに便乗。
乗ってみたら一分おきくらいにリンリン音がなる。これは何なんですか?って聞いたら、
「あーこれは、エコモードに切り替わったっていうお知らせです。問題ないです」
これ止められないんですか?
「ぼくこの車はあまり乗ったことがないので分かりません」
さっき毎日これで通勤してるって言ってたやん。。。
フロリダナンバーですけど、最近引っ越してこられたんですか?
「え?あ、はあそう思います」
思うってどういう事??
「この車は最近購入したばかりなんです。だからフロリダのタグもまだ有効!」
ワンオーナーちゃうやん。あんたがセカンドオーナーやん。レジストレーションもしてない車を売りさばくのは違法ですよ。
とまあ、突っ込み所満載。
三戦三敗でした。やっぱり新しい年代の車で、走行距離も少なくて安い車は事故車やどこか問題がある車ばかり。 どこか妥協しないといけないということを学びました。いやそれにしてもひどすぎる。
高級じゃないカーディーラー編
もう個人の車はこりたので、ちゃんと車の情報を開示していて、なおかつ安めのお値段設定なディーラーをいくつか訪ねてみることにしました。
ディーラー1
ここのディーラーのホームページでは写真が一枚しか無かったので分かりづらかったんですが、行ってみたら、結構おんボロディーラーで、どの車も外傷だらけ。どのアングルからみても傷だらけ。そして試乗したどの車もガソリンランプ点灯するくらいガソリン入ってない。どんだけケチってるんですか。
この外傷ってどうなんですか?って聞いたら、
「もうこういう状態っていうことで安く売りだしてるんで。でもVinナンバーとかで見てもらったら分かるようにどの車も無事故です。多分前のオーナーが車庫入れ下手くそだったんじゃないですか?」
そんなもんですか?
でも実際ここのディーラーの車は狭い駐車場にきつきつに車が並んでるにも関わらず、ディーラーのお兄ちゃん方はすごい速さでバックしてたりして、もしかしてこの傷はこのお兄ちゃんたちの仕業なのでは?と思ってしまったり。
他にも、外装はきれいでも内装がめっちゃ汚なかったり、たばこ臭かったり。
そこに間髪入れずに営業してくるお兄さん。
「お客さん、せっかくなんで、今一押しの車乗ってみませんか?これ昨日来たばっかりの2016年トヨタヤリス。内装もまだ新車の匂いがします!ナビやバックアップカメラもついてます!」
折角来たので乗ってみたら確かに綺麗。乗り心地も悪くない。なんかもうひどい車ばかり試乗していたので余計に素晴らしく思えてくるトヨタやりちん。じゃなくてヤリス。ヤリスって聞いたことなかったけど調べてみたらヴィッツの欧米版の名前っぽいですね。でもなんか名前が微妙って言ってたら旦那さんにそこは問題じゃないと指摘される。。。
でも肝心のお値段は税金や手数料も込めると120万と少し予算オーバー。現金払いでまけてくれないか聞いてみても、足元見られているのか交渉する気ゼロ。
「うちは大手のディーラーに比べて安い手数料なんでこれ以上安くできません」
確かに高級レクサスディーラーさんは、ダラスの中心地でのオフィスの維持費や、ピカピカなレクサスの洗車代、無駄に多い従業員や、10種類以上のコーヒー代も手数料に反映しているのかもしれない。と思い、少し納得する。
旦那さんはカーショッピングに疲れてきて、もうこれでいいんじゃない?と買う気になりつつある所を説得して、次の日別のディーラーを見てみてから結論を出すことに。
ディーラー2
ここのディーラーはうちから1時間ほどドライブしないといけないので、行く前に電話確認してみると、電話に出たディーラーのPJさんは
「いつでも開いてるから好きな時に来て!」
との事で、じゃあ12時半から1時の間に伺います。と言ってちょうど1時前に到着。なんかレンタル倉庫みたいな場所で、ディーラーのサインすらない。でも住所はあってるのでここに違いないと思い、ドアまで行くと、
「4時ごろ帰ってきます」
という紙が貼られて閉まっているではないですか。電話してみたら、
「ちょうどランチを食べに出た所なんだよ~。遠いところでランチしてるから4時まで帰れないんだよねー。何でもっと早く連絡くれなかったんだよー」
いや、連絡したやん。ちゃんと1時前に着くって言って時間通りに来たやん。しかも何でランチに4時間かかんねん。
でも折角1時間運転してきたし、そのまま帰るのももったいない。
4時よりもうちょっと早く帰ってこれませんか?って聞いたら、
「じゃあお父さんに連絡して僕が帰ってくる前に開けてもらえるようにする」
という事なので、お父さんが来てくれるまでの間に近くの他のディーラーを訪ねてみる事に。
ディーラー3
こちらのディーラーさんはファストフードを改装した外装で、ドライブスルーとかがついてる。でももう胡散臭いディーラーに慣れてきて気にならなくなってきました。
中に入ってみたら無人。声をかけてみても応答なし。一応電話で事前連絡していたので、とりあえず外で車を物色していたら、のっそり出てきたカーネルサンダースみたいなおっちゃん。名前はボブさん。かなりやる気ない感じ。声が低くてしゃべり方はヤクザみたいで英語も訛ってる。
最初に見せてくれたのは本田のインサイト。ハイブリットで燃費がいい。後ろのバンパーの傷跡を塗装した跡があったけど、内装も外装もきれいで乗った感じも悪くない。お値段も70万ちょいでお手頃価格。タイヤもバッテリーも交換したてで、書類も全部見せてくれました。
これならカリフォルニアまで運転して帰ってこれる!
バンパーを指摘したら、すんなり、
「ああ、直すよ。それか200ドルまけてあげる」
とあっさり返答。おっちゃん見た目怖いけど実は優しい系?
他の車も試してみたけど、どれも悪くない。どの車も綺麗にメンテされててちょっと好感がもてる。そしておっちゃんの押しの一言。
「まあ何でも色々試してみたらいいけど、車ってのは馬と一緒で乗れば乗るほど選べなくなるからね。」
まさにその通り!私たちはもう何がいいのか悪いのかよく分からなくなってきて、これ以上車を探すのに疲れてきていました。第一印象的にも本田のインサイトが一番ときめき感がありました。
まあ一つ言えるのはディーラー1さんはぼったくりって事です。おっちゃんの車の方が車の質もディールも全然いい。
やりちんは悪くないけど、同じ買うならこっちのディーラーの方が信頼できる。
でもまあ一応PJさんのお父さんがわざわざ来てくれるらしいので、そこの車を見てみてから返事しますって言ったら、おっちゃんは更に
「今日中に戻ってきてくれたらさらに150ドルディスカウントするよ。戻ってきてくれることを期待しているよ」
言ってみるもんですね。なんかちょっと交渉術を学んだ気分。
PJさん
PJさんの倉庫に戻ってみると、奥の方でおじさん二人が何語か分からない言葉で談笑してました。このおじさんの一人がPJさんのお父さんなんでしょうか。とりあえず、トヨタのプリウスを試乗したいんですけどって聞いたら、
「ああプリウスね。いい車。オッケー。えっと、どれか分かる?私はただの父親で車のことはさっぱりで。」
ああはい、あの角の車です。
「ああじゃあ今すぐ出します!」
と言ってエンジンをかけようとするもかからない(笑)
「ちょっと電気自動車系は苦手なので私。息子が帰ってくるまで触らない方がいいと思うんで他のやつから乗ってもらえますか」
ああはい。じゃあ、その松田試乗できますか?でも他の車前にあるのでのけてもらえますか?
お父さん、車をのけようとするも、またエンジンがかからない(笑)
「ちょっと助けてくれる?」と頼まれた旦那が車を移動する羽目に。なんかもう逆にお父さんおもろい。
結局PJさんは4時をすぎても帰ってこず、その間お父さんはずっと箒で掃き掃除してはりました。お水とか買ってきてくれてやさしいお父さん。
ようやく帰ってきたPJさんは、かなりチャラそうな若いお兄さんでした。車のヘイルダメージとか指摘してみても、
「うちは別に気に入ってくれた人が買ってくれればそれでいいんで」
と特にディスカウントしてくれる感じもなく、これといって気に入った車もなかったので、やっぱりボブさんの所で買おうと決めました。一言いえるのは、
お父さん、ちゃらい息子に代わって接待してくれてありがとう。
念願かなってついに車を購入
ボブさんの所にもどって契約書類にサインしました。本当にこれでよかったんだろうかとめっちゃ色んな思考が頭によぎりましたが、実際これ以上車に時間を費やしたくありませんでした。どちらかというともう何でもいい。
何となく恋愛結婚よりお見合い結婚の方がうまくいくっていう人の気持ちがちょっと分かったような気がしました。いやもうほんと、どんな車でも大事にします。選べって言われたら色んな事を気にしてこの車で本当にいいのだろうかと悩んでしまいます。そういう面でも結婚相手に選ぶ相手は「悪くない」人や「タイミング」で決めてしまう人が多いのも納得できました。
でもこのインサイト、小回りもきくし、結構気に入りました。これからもよろしく!
と、ハッピーエンドで終わりたかったのに
まさかのまさか。次の日当てられました(涙)
インサイトちゃんの車高が小さくて見えなかったのか、仕事先の中学校の駐車場でバックしてきたトラックに当てられ、助手席のドアが見事に凹みました。
デントリムーバルに持っていったら、ドア全替えしないといけないらしいです。
幸いな事にトラックの運転手は同じ勤め先の先生で、一応ちゃんと修理費払ってくれるらしいので良かったですが、車を買って喜んでいた矢先だったのでちょっとびっくり。
廃車になるような事故じゃなくて良かったです。インサイトちゃんには悪いけど、120万の車にしなくて良かった。。。
終わりに
アメリカのカーショッピング。お金があるならちゃんとしたディーラーでの購入をおすすめします。とりあえず言えることは、
日本のサービスと信頼度最高