ダラス観光するならケネディ暗殺の6階博物館がオススメ
6階博物館(The Sixth Floor Museum)
6階博物館(The Sixth Floor Museum)は、1963年11月22日にジョンFケネディが暗殺された時に犯人(とされている)オズワルドが潜んでいた場所です。当時教科書倉庫として使われていたビルの6階の角からダラス遊説中のケネディを撃ち殺したと言われています。
6階博物館はその教科書倉庫の6階と7階を改装して出来た博物館で、オズワルドが潜んでいた場所が当時のまま保管されている他、ケネディ大統領の業績や、暗殺された瞬間の写真や映像、暗殺にまつわる陰謀説など色々学ぶ事ができます。
入場料
(2018年12月現在の情報)
大人 $16
シニア (65歳以上) $14
学生 (6〜18歳) $13
子ども (0〜5歳) フリー (オーディオガイド$4)
チケット代にオーディオガイドも含まれます。日本語にも対応しています。
営業時間
博物館には珍しく毎日営業!
月曜 12時から18時
火曜〜日曜 10時から18時
チケット販売終了は17時15分
アクセス
住所: 411 Elm Street, Dallas TX 75202
駐車場($8〜$10)が隣接しているので車での利用が簡単です。
DARTという電車を使うなら、West End Stationから西へ徒歩5分です。
ダラスの観光は車の方がおススメです。公共交通機関があまり発展してない上に、だだっ広く、道も歩行者様にできていなかったりと、車がないと結構不便です。
ケネディ暗殺のおさらい
ケネディ暗殺事件は映画にもなったり、色んな陰謀説が出たり、去年機密文書が一部公開されたりと話題が尽きません。博物館は何も知識がなくても楽しめますが、ちょっとおさらいしてから訪れてみるのも面白いかもしれません。簡単におさらいすると、
- ケネディが1963年11月22日に選挙活動でダラスに来訪した時、オープンカーでパレード中に頭を撃たれて死亡
- 教科書倉庫の6階からライフルが見つかる
- 警察が従業員のリー・ハービー・オズワルドを殺人犯として逮捕
- オズワルドはハメられたと容疑を否定
- 二日後、ダラス警察署でオズワルドの送検中にジャック・ルビーがオズワルドを射殺し、真相究明が不可能に
- 当時副大統領だったリンドン・ジョンソンがケネディが暗殺されたその日のうちに大統領に就任
- 翌年ジョンソンがウォーレン委員会という調査委員会を設置して報告書を発表
- 調査の結果オズワルドの単独犯行と決定づける
- 信憑性が問われる判断に国民納得いかずその後様々な陰謀説が出回る
様々な憶測
- 犯人は複数?
- 教科書倉庫ではなく正面の丘(グラッシーノール)からの発砲では?
- オズワルドは口封じされた?
- 実は暗殺には政府が関与?
- CIAが黒幕説
- ロシアのフルシチョフが犯人説
- リンドンジョンソンが犯人説
- 大統領夫人が犯人説
などなど色々あります。
ネタバレ感想
私がこの博物館に訪れたのは今回で2回目。1回目は10年前くらいに大学のオーディションに来た時に訪れました。結構興味深くて全部見て回りました。今回はダラスに行く用事があって、たまたまケネディ暗殺の場所を車で通った時に記憶がフラッシュバックして、もう一度行ってみる事にしました。今年はケネディ暗殺から55年という節目で色んなイベントがあるみたいで、沢山の人が訪れてました。
10年前に比べて内装ががらっと変わって綺麗になってました。オーディオガイドも新しく導入されて、しかも日本語で聞けるので分かりやすい!でもチケットは値上がりしてました。
新しく7階も解放されて、当時の証言者のビデオが見られました。証言者の方もほとんど亡くなっているのでこうして映像に残して次世代に伝えていけるのは素晴らしいと思いました。
この写真の奥の角に見える窓(南東の窓)からオズワルドがライフルでケネディを撃ち殺したと言われています。ダンボール以外は当時のまま保管されています。
南東の窓は立ち入り禁止ですが、これがすぐ隣の窓から見える景色です。このアングルでオープンカーに乗っていた大統領が後ろから打たれたとされています。当時はこんなに木々が生い茂ってなかったらしいですが、それにしてもすごい命中率。三発の内、一発は首をかすり、もう一発は頭に命中したらしいですよ!どんな凄腕スナイパー!
ケネディ一行はこの建物に向かって進んで来て、左折のためにスピードを落としていたので普通に正面から簡単に狙えたのに、わざわざ車が左折した後この微妙な角度で後ろから撃つ必要はあったのか等の疑問は残ります。大統領は別の場所から正面から撃たれた等の説が出るのも分からなくもないですね。
ちょっと綺麗すぎる感が否めない
私はケネディ暗殺についてはあまり前知識なく訪れて、普通にへー!すごいなーと思いながら見て回りました。書かれているのはケネディ大統領のレガシーや社会貢献についていい事づくし。綺麗な奥さんと可愛い子どもと一緒に映る家族写真も、アメリカの典型的な家族を大切にする愛妻家な雰囲気を醸し出してました。普通にケネディさんは偉大な大統領だったんだなーという感想でした。
特に印象的だったのは奥さんのジャッキーが子どもと共にお葬式に参列する姿。最愛の夫を無くしてさぞ辛い思いをしたんだろうな。と思い、彼女がホワイトハウスを離れてからどんな生涯を送ったのか調べてみたところ、普通に浮気相手と結婚してました(汗)実は悪妻だったのか思いきや、どうやらケネディさんがめっちゃ浮気性で寂しかったっぽいですね。ケネディさんが任期中に関係を持った女性は32人以上!特に有名なのはマリリンモンローですが、ケネディさんは奥さんが流産した時も浮気相手と遊んで帰ってこなかったらしいですね。最悪。ケネディさんはカトリック信者としても有名ですけど結構裏がありますね。
陰謀説もいくつか触れられていましたが、結構あっさり。はっきり覚えてませんが、極右団体の反感とか、ロシアがどうこうとか、当たり障りのない事しか書いてませんでした。リンドン・ジョンソン副大統領の黒幕説やCIA関与説等は全く触れられてませんでした。当たり前といえば当たり前ですけどね。政府が認める公な博物館で政府にとってマイナスなイメージを植え付ける情報は普通載せないですよね。結構作り話感の漂うイメージ。でもまあそういう胡散臭さを感じながら表書きのシナリオを見て回るのも面白いのかなと思いました。
その他の感想
ケネディ暗殺以外にも、当時の情勢や社会問題等色々学べてよかったです。キューバ危機、黒人差別問題(キング牧師も同世代)、ベルリンの壁等など。ケネディさんは公民権運動や人種問題に取り組んで若い世代から圧倒的な指示を受けたそうです。
そして漠然と、今のアメリカの社会情勢も55年前とあんまり変わってないんじゃ。。。と思いました。
人種差別は相変わらず。常にニュースで黒人が不当に逮捕されたり警察に撃たれたりする事件を耳にするし、トランプさんは移民排除と壁作りに大忙し。そして全く良くならない銃規制。
博物館のビデオの中で特に印象的だったのは、警察官がメディアのインタビューで、
「オズワルドが購入したライフルの値段はたったの$12.78。これが大統領の命の値段だ」
と語っていた事です。$12.78って安すぎじゃないですか?55年前の物価といえ、こんなに安く凶器を手に入れられる事自体ありえない。
そして大統領が銃で殺されようが、未だに年間一万三千人以上の人が銃で亡くなっていようが全く銃規制する気配はなし。
55年前に比べて変わった事といえば携帯電話の普及くらいなんじゃないかと思ったのでした。
最後に
色んな事を考える機会をもらえる6階博物館は良きも悪きも訪れてみる価値はあると思います。実際に大統領が暗殺された場所に立ってみるだけでも歴史を感じられるいい機会なので、ダラスを観光される方はぜひ訪れてみてください。
久々に見たくなった映画